【本仮屋ユイカ】素顔こそまばゆいかなぁ

【本仮屋ユイカ】素顔こそまばゆいかなぁ
　土砂降りのなか、さわやかな笑顔で現れた。１６５センチの長身をオフホワイトのワンピースが包む。見た目は女優というより、清楚な女子大生といった趣。それもそのはず、この３月まで大学に通っていたのだから。　「仕事もやりながら頑張って、ぎりぎり４年で卒業できました。いまは覚悟ができたというか、女優さんになってきたな、っていう感じはしてるんですよ」　小、中、高、大学に加え、彼女にはもう１つの母校がある。１４歳のときに出演した「３年Ｂ組金八先生」（第６シリーズ）だ。　「女優としての原点です。お芝居というものを全身で教えていただきました。ホントにもう一つ学校に通ったぐらい濃い時間でしたし、いい青春を送らせてもらいました…」　少し感慨深げに遠くを見る。２３歳になったばかり。まだまだ青春だよ！　子供のころ、人前で物まねをするのが得意だった。１０歳で女優を志し、大学でも演劇を学んだ。「違う人の人生を表現して、その中でしか味わえない体験ができる」。そんな演じる喜びも知り、いまや若手の実力派に成長した。　記憶に新しいのは、５月公開の映画「ＲＡＩＬＷＡＹＳ　４９歳で電車の運転士になった男の物語」での好演。夢を諦めない父親（中井貴一）に反発しながらも、次第に心を通わせていく娘を演じた。父親との関係をつかむまでに腐心したという。　「ウチ、母子家庭なんです。でも、家族みんな仲がいいし、隠し事も一切ない。映画では父親とうまくいってなかった最初の部分、そこだけはリアルに見せるように、すごく意識しながら演じました」　この映画、世のお父さんたちの胸を熱くさせたが、「家族を守り、いくつになっても夢を持ち続ける。その姿に共感してくださったんじゃないでしょうか」。　祖母役、奈良岡朋子との共演も大いに刺激になった。「演劇科の学生にとって教科書レベル、伝説レベルの人ですからね。そんな方とご一緒できるなんて、すっごく感激。すべてが勉強になりました」　最近はバラエティー番組への出演も多い。「シルシルミシル」では、こんなハプニングもあった。　「次長課長の河本（準一）さんが『一滴、一滴』って、私に言っている。どうしたのかと思ったら、鼻血が出ていた。ハハハ」。でも、それって、女優としてはどうなんだろうか。　「実は私、小さなことでくよくよ悩むタイプでした。そういう自分を変えたくて、去年の２月、オーロラを見にカナダへ行った。そして、極寒の中で人が生きていく“たくましさ”と、その中で培われる“あたたかさ”を知りました。それで一皮むけた。いまは自分をさらけ出せるし、それを楽しむ自分もいるんです」　現在、東野圭吾原作の連続ドラマ「秘密」がオンエア中。主人公・志田未来が通う高校の教師役だ。「金八先生」の生徒役から９年。「私も大人になったなって、しみじみ感じちゃいました」　この珍しい名前、本名である。本仮屋という姓は祖父の出身地、鹿児島に多いそうな。そのせいか、サツマイモが大好物。家族には「イモねえちゃん」と呼ばれている。ユイカというカタカナ名は、国際化を見据えて付けられた。　ならば、目指すは国際派女優？　「はい、頑張ります！」。なんとも素直。「ユイカ様」なんて、絶対に呼ばれないだろうな。　ペン・田中宏子　カメラ・大山実

プロフィール　本仮屋ユイカ（もとかりや・ゆいか　）１９８７年９月８日生まれ、２３歳。東京都出身。１０歳で芸能プロに所属し、「わくわくサイエンス」でテレビ初出演。「３年Ｂ組金八先生」に出演後、映画「スウィングガールズ」で注目され、ＮＨＫ連続テレビ小説「ファイト」のヒロインに。以後は「Ｄｅａｒ　Ｆｒｉｅｎｄｓ」「ドロップ」などの映画、「夫婦道」「ハンチョウ〜神南署安積班」などのテレビドラマに多数出演。今春、日本大学芸術学部演劇学科を卒業。先月、映画「ＲＡＩＬＷＡＹＳ〜」のＤＶＤがリリースされた。テレビ朝日「秘密」に出演中。妹は女子大生モデルの本仮屋リイナ。
http://www.zakzak.co.jp/people/news/20101101/peo1011011709000-n1.htm
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