Ｗｅｂ連載小説（８２）【ユメの行方】マコト・リコ夫妻には玉のような女の子が誕生した

Ｗｅｂ連載小説（８２）【ユメの行方】マコト・リコ夫妻には玉のような女の子が誕生した
　ｅｐｉｓｏｄｅ　８２　　Ｄｅｃｅｍｂｅｒ　１９８１　［ｓｅｃｒｅｔ］作・桜井鉄太郎　「ほんとはこの話をするには、ちっとばかし心の準備が必要なんだがな、まあいいか」　日比野欽一は視線をカウンターに落として唇をかみ締めながら語った。　「その夜からリコとはまったく連絡が取れなくなってしまったんだ。でも、ひとときも彼女のことを忘れたことはなかった。とにかく悔しくて日比谷公園あたりをたむろってる不良連中を片っ端から洗ったよ。どうやら吉徳組っていう人形屋みてえな組のチンピラだってことまでは調べあげたんだが、当時１９歳になったばかりの俺には結局、どうすることもできなかった」　「そうこうするうちに、どこからかリコが結婚するんじゃないか？って噂が流れてきたんだ。大学のジャズ・サークルじゃあ、そのことで持ち切りさ。俺は悲しくて泣いたね。相手はなんとジャズ研の大先輩、マコトさんだっていうことが判明したんだ」　「彼はものすごい財閥の御曹司で素晴らしいピアニストでもあったんだが人望も厚く、俺たち新人の憧れの人だった。マコトさんは月に一度、後輩の俺たちサークル部員たちを自宅に招いてくれて、セッションをやったり、貴重なジャズの映像を見せてくれたり、フルコースのディナーを振舞ってくれたりと、最高の先輩だった。その集まりを＜マコト塾＞とみんな呼んでいて、ここからすごいミュージシャンも巣立っていったものだった。ただ、マコトさんには当時誰もが認める鉄壁の彼女がいたんだ。名前を南ゆきみといって、俺たちのサークルきっての美人ジャズシンガーだった。ところが、リコとの突然の結婚だろ。唐突すぎて誰もが首を捻ったもんさ」　「で、結局どうなったの？」　ナギはヒビキンを真っすぐ見つめて言った。　「１年後、早くもマコト・リコ夫妻には玉のような女の子が誕生した。そして…」＜続く＞［登場人物］幾田トキオ（２８歳）：Ｔｈｅ　Ｒｅｂｅｌ　を背負って立つ音楽プロデューサー加川渚（２２歳）：愛称ナギ。歌手志望の女子大生日比野欽一（４２歳）：元警視庁刑事。現ブローカー黒川リコ（２３歳＝当時）：女子大生。日比野の元恋人マコト（２５歳＝当時）：御曹司。ピアニスト　◇　１９８０年代初め、アートや文学、映像、そして音楽にポップなものが革命的に登場した。１９８１年に始まる日本のポップ／ロックシーンからクラブムーブメントまでの時代を実際に生きた青年、幾田トキオを主人公に描くのが、このドキュメントフィクション「ユメの行方」である。　物語の舞台はレコード業界と芸能界、それらを結ぶ西麻布の街。トキオに絡むのは、西麻布の街を変幻自在に闊歩したミュージシャンや業界関係者たち。いずれも個性的な面々だ。　執筆者は、来年、結成２０周年を迎える音楽ユニット「Ｃｏｓａ　Ｎｏｓｔｒａ（コーザ・ノストラ）」を始め、アイドルからクラブミュージック、アンダーグラウンドまでノンジャンルで手がけるミュージシャン・音楽プロデューサー。【バックナンバーはこちら】Ｗｅｂ連載小説【ユメの行方】
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20100413/enn1004131643013-n1.htm
「あたりきしゃりき」という言葉があります。
「当たり前」を洒落ていう言葉らしいです。近世以後、職人などが用いる
ぞんざいな言葉。。ぞんざいって、、、ｗｗｗｗ
まーださすぎて使えません、、、ｗ

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