Ｗｅｂ連載小説（７１）【ユメの行方】僕はナギの父親じゃあないよ！

Ｗｅｂ連載小説（７１）【ユメの行方】僕はナギの父親じゃあないよ！
　ｅｐｉｓｏｄｅ　７１　　Ｄｅｃｅｍｂｅｒ　１９８１　［ＰＡＰＡ］作・桜井鉄太郎　予想もしなかったことが幾田トキオの前で突然起こった。　いつの間にかトキオとナギの背後に、中年の貫禄をたたえた紳士が音もなく現れたのだった。　「お前は、こんな時間にこんなところでいったい何をしているんだ！」　やや怒気を含んだ声の持ち主は、おそらくナギの父親であろうことはトキオにも瞬時に分かった。　「パパこそロンドンじゃなかったの？」　ナギはその大きな瞳をこれ以上ないほど大きく見開いて、声にならない声を出した。　趣味の良い仕立ての三つ揃いのスーツを身にまとったその紳士は、ナギのことをこれ以上愛おしい存在はいない、といった風に優しい眼差しを向けて言った。　「会社にちょっとしたアクシデントが起こったんで、急遽今夜のフライトで帰国したんだ。急いでトラブル処理をしなきゃならないんで、空港から直でここにやってきた、というわけさ。それはそうと、お前こそなんでここに？　それにこの青年は一体誰なんだ？」　「この人は音楽プロデューサーの幾田さんといって、ナギの音楽の先生なの。今夜はピアノを教えてもらおうとここのマンションに来てもらっただけなのよ」　ナギは、とっさにでたらめの言い訳で無謀にもやり過ごそうとしている。　トキオは、思ったほどこの紳士が激昴してないことに少しホッとして、あらためてその人となりを観察することにした。　２２歳のナギの父親だとしたら少なくとも５０歳前後だろうが、どう見ても若過ぎる。どう見積もっても４２か４３歳だろう。多少肉付きはいいがいわゆる中年特有の肥満体ではなく、適度に引き締まったいい体をしている。俳優になってもいいくらいの好感の持てる容姿と嫌みのない笑顔が、トキオになんとなく安心感を与えてくれる。　「あの…、こんなこと聞いていいかどうか分からないですが、お父さんはどんなお仕事をされているんですか？」　取り繕うようにトキオが言うと、紳士はびっくりしたように応えた。　「君、なに言ってるの？　僕はナギの父親じゃあないよ！」＜続く＞［登場人物］幾田トキオ（２８歳）：Ｔｈｅ　Ｒｅｂｅｌ　を背負って立つ音楽プロデューサー加川渚（２２歳）：愛称ナギ。歌手志望の女子大生日比野欽一（４２歳）：元警視庁刑事。現ブローカー　　　　　◇　１９８０年代初め、アートや文学、映像、そして音楽にポップなものが革命的に登場した。１９８１年に始まる日本のポップ／ロックシーンからクラブムーブメントまでの時代を実際に生きた青年、幾田トキオを主人公に描くのが、このドキュメントフィクション「ユメの行方」である。　物語の舞台はレコード業界と芸能界、それらを結ぶ西麻布の街。トキオに絡むのは、西麻布の街を変幻自在に闊歩したミュージシャンや業界関係者たち。いずれも個性的な面々だ。　執筆者は、来年、結成２０周年を迎える音楽ユニット「Ｃｏｓａ　Ｎｏｓｔｒａ（コーザ・ノストラ）」を始め、アイドルからクラブミュージック、アンダーグラウンドまでノンジャンルで手がけるミュージシャン・音楽プロデューサー。【バックナンバーはこちら】Ｗｅｂ連載小説【ユメの行方】
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-column/news/20100326/enc1003261256000-n1.htm

何か最近ぱっとしないんですよね〜〜。。
宝くじでも当たらないかな〜〜ｗｗｗ
ん〜そういや近いうちに友人の某企業が上場企業になるらしいんです。
そこで上場したら会社の株価は跳ね上がりますからその前に社内株を
できるだけ買いたいとか何とか言ってましたねｗｗ
全く私の周りにはげんきんなやつが多くてこまりますよｗ

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