Ｗｅｂ連載小説（１１６）【ユメの行方】筑前は２人の度量を試してみることにした

Ｗｅｂ連載小説（１１６）【ユメの行方】筑前は２人の度量を試してみることにした
　作・桜井鉄太郎　ｂｌｕｅ　ｒｏｓｅの電話がけたたましく鳴り響いた。筑前修は電話の主が神代英二であると何故だか強く確信していた。マネージャーの沖津卓也が状況を察して筑前の耳元でそっと告げた。　「神代英二さんからですよ。ひどく酔っているようで。オーナーは不在ですって言っときましょうか？」　「いや、かまわん。出る」　自分の予感がズバリ当たったことにはさほど驚きもせず、筑前は電話口に出た。　「兄貴、どうも。どこかで飲んでるんですか？」　「いやあ、ちょっといいことがあったんでね、お前に真っ先に伝えたくてよお。今夜はどうしてるんだ？　なんならこれからお前の店に行ってもいいぞ」　「ちょっと今、立て込んでるんで。明日だったら大丈夫なんですがね」　　「水臭いこと言うなよ。お前も絶対喜んでくれることなんだよ。いの一番にお前に報告したいんだよ」　酔っている時の神代は駄々っ子のようになって、いったん思ったことはあとに引かないことは筑前も十分にわかっていた。　「わかりました兄貴。お待ちしています」　「おう、そうか。じゃあ１時間もしたら向かうよ、悪いな」　筑前は覚悟を決めた。臭いものにふたをするのは、彼にとって一番嫌いなことだった。日本を代表するロックンローラー２人がわだかまっているのを黙って見過ごしてはならない。和解させるのは無理としても、せめて自分の経営するこのｂｌｕｅ　ｒｏｓｅでは、和やかに相対してもらいたい。そんな思いで、あえてジェイク大西には神代英二の来店を告げずに、２人の度量を試してみることにしたのだ。＜続く＞［登場人物］筑前修（３２歳）：カフェバーｂｌｕｅ　ｒｏｓｅのオーナー沖津卓也（２２歳）：ｂａｒ　ｂｌｕｅ　ｒｏｓｅのマネージャージェイク大西（２９歳）：元ステディのボーカリスト神代英二（３３歳）：元ステディのリーダー　　　◇　１９８０年代初め、アートや文学、映像、そして音楽にポップなものが革命的に登場した。１９８１年に始まる日本のポップ／ロックシーンからクラブムーブメントまでの時代を実際に生きた青年、幾田トキオを主人公に描くのが、このドキュメントフィクション「ユメの行方」である。　物語の舞台はレコード業界と芸能界、それらを結ぶ西麻布の街。トキオに絡むのは、西麻布の街を変幻自在に闊歩したミュージシャンや業界関係者たち。いずれも個性的な面々だ。　執筆者は、来年、結成２０周年を迎える音楽ユニット「Ｃｏｓａ　Ｎｏｓｔｒａ（コーザ・ノストラ）」を始め、アイドルからクラブミュージック、アンダーグラウンドまでノンジャンルで手がけるミュージシャン・音楽プロデューサー。女性と牛丼の関係について【発言オヤジ】
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-column/news/20100628/enc1006281304000-n1.htm
一度でいいから外国行ってみたいなー。。
行くんだったらヨーロッパですね！綺麗そうだし、自然もたくさんありそう
。いつかは金を貯めて行くぞ！
そして将来は海外で生活だｗ

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